神々のこどもたち – あとがき

 
・ポルキュスの息子
 ポルキュスはギリシャ神話の神で、ゴルゴン3姉妹の父親です。
 そういうわけでこのお話のモチーフはゴルゴン(メデューサ)。
 呪いの反射には鏡よりもっときらきらしたものを使いました。

 

・ミーノースの息子
 すったもんだの末ミーノースの妃が牛との間に作った子供がご存知ミノタウロス。
 元ネタではアリアドネさんという方の糸を使うのですが、
 ハイエロファントにがんばってもらいました。
 このお話のハイエロはデウス・エクス・マキナではなく、
 花京院の無意識の能力みたいなものです。

 

・ロキの娘(死者の国の女神)
 ロキは北欧神話において、味方になったり敵になったりとトリックスター的な立ち位置にいる神です。
 有名なので名前だけは聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
 彼と巨人族の女性の間にできた3人の子供の末っ子がヘルといって、冥府の女神です。
 ここから英語の地獄(ヘル)がきています。
 承太郎の熱烈あっぴーるに戸惑うヘル院とかもちょっと書いてみたいですね。

 

・ネレウスの息子
 ネレウスはギリシャ神話の海の神で、何十人もの娘がいます。
 この娘たちがネレイス、ニンフ、ニュムペーなどという名で呼ばれています。
 そういうわけで、名もない精霊のお話。

 

・ヘロデアの息子
 ヘロデアは古代パレスチナの王ヘロデの妃です。
 王の弟の妻でもあり、その間の娘がかの有名なサロメさんです。
 このお話は続きを「45億と4千万年前」に書きました。

 

・ロキの息子(世界蛇)
 世界蛇の本名はヨルムンガンド、聞いたことがある方もいるんじゃないでしょうか。
 天然たらし院にまったくそんなつもりはなく「きれいだね」って言ってもらいたくて花承です。

 

・リリスの息子
 リリスは男をたぶらかす女性の魔物で、その娘たちのリリムも同じです。
 ところでリリム話を考えるたびに「承りりむ」とか「のりりむ」とかが
 ドヤ顔で頭に浮かんで邪魔をしてくるんですがどうしたらいいでしょう。

 

・アレオスの息子
 テゲアーの王アレオスの娘アウゲーは、アテナの神殿に仕えていましたが、
 ヘラクレスに襲われて身ごもって大変なことになるわけです。
 神々って身勝手だね!

 

・ロキの息子(悪評高き狼)
 ロキの息子ではフェンリルが一番有名なんじゃないでしょうか。でかいしかっこいいし。
 フェンリルを縛っている魔法の糸がグレイプニルですね。
 このお話で神話の崩壊が起きるので、次のお話が神話パロディではなくSFになったというわけです。

 

・ロキの息子(両親違いの弟)
 ロキは前述の巨人との間にフェンリル、ヨルムンガンド、ヘルを作っているわけですが、
 それ以外にも、雌馬に化けて牡馬をたぶらかして作った馬の子供がいます。
 それが馬のうちで最高のものともいわれる8本足のスレイプニル。
 北欧神話のトップの神様オーディンの軍馬でもあります。
 ぐるぐる世界が巡るうちに神話から抜け出してやっと出会った二人のお話です。