花京院の握手会にやばいイケメンが出現した件3

上2つの続き。

 
 
 
 
 
 
 

空条承太郎>
これでいいのか?
 
<テンメイ
見えてます!大丈夫です!
 
<テンメイ
すみません、わざわざJINEインストールしてもらっちゃって
 
空条承太郎>
構わない。メールよりやりやすいらしいからな。
 
空条承太郎>
テンメイというのはハンドルネームか?
 
<テンメイ
あ、はい。だめでしたか?
 
空条承太郎>
いや、いい。やりやすいようにしてくれ。
 
<テンメイ
ありがとうございます
 
<テンメイ
それで、助けていただいたお礼をしたいんですが
 
空条承太郎>
学生だろう。無理しなくていい。
 
<テンメイ
いえ、僕は働いてますので大丈夫です
 
空条承太郎>
そうなのか。だが残念ながら、わたしはしばらく仕事で日本を離れなくてはならない。お茶を御馳走になる機会はないな。
 
<テンメイ
そうなんですね…
 
<テンメイ
何か他に方法ないでしょうか?
 
<テンメイ
あ、そうだ 空条さんSCのサウンドトラックの初回限定盤持ってますか?すぐ売り切れちゃったやつ
 
空条承太郎>
持っている。
 
<テンメイ
さすが……
 
<テンメイ
他に好きなアニメとかありますか?
 
空条承太郎>
今見ているのはアイスタとSCだけだな。秋からは星十も見る予定だが。
 
<テンメイ
えーと…原作のゲームとか漫画が好きなんですか?
 
空条承太郎>
いや、星十の原作はこの間購入して、今読んでいるところだ。
 
空条承太郎>
アニメに出ている声優が好きなんだ。花京院典明というんだが。
 
<テンメイ
あの、最近デビューした
 
空条承太郎>
そうだ。わたしは彼以外に好きな声優はいないから、他と比べることはできないが、彼はとてもいい。
 
<テンメイ
そうなんですか
 
<テンメイ
あの、ええと、花京院のサインとかだったらいりますか?
 
空条承太郎>
そn
 
空条承太郎>
すまない。途中で送ってしまった。
 
空条承太郎>
そんなツテがあるのか?
 
<テンメイ
ちょっと聞かなきゃいけないので無理かもしれませんが
 
空条承太郎>
もしできるのなら、とても欲しい。だが無理にとは言わない。
 
<テンメイ
分かりました!できるかどうかは分かりませんが、聞いてみます
 
空条承太郎>
ありがとう。

 
 
 

承太郎はスマホから顔を上げた。
街で出会った少年が、そんなツテを持っていたとは。
もちろん承太郎は、何かしてもらおうだとかいう下心で彼を助けたわけではない。
単に見過ごせなかっただけだ。
それに彼は、アニメや声優にも詳しかった。
SNSで繋がっているフォロワーたちも花京院に詳しいが、彼はまた視点が違って面白い。
アニメの脚本や監督、音響やコピーなんかに目を向けたことなど、今までなかったことだ。
承太郎はいつしか、この少年と会話するのを楽しむようになっていた。

 
 
さて承太郎がアメリカの出張から帰ってくると、何やら荷物が届いていた。
差出人を確認すると、承太郎のよく知る事務所の名前が印字されている。
こわごわ包みを開けてみれば、入っていたのは声優・花京院典明のサイン色紙だった。
承太郎の名前も入っている。
承太郎は飛び上がって喜び、合うサイズの額を探すことにした。

 
 
 

【好きなモノは】帽子さんヲチスレ32【ヒトデ】
 
312 名無しのスタンド使い
だから帽子のイルカを見るに、胸元のブローチは星じゃなくてヒトデ
 
313 名無しのスタンド使い
帽子さんはヒトデのつもりかも知れないけど元は星だろ
 
314 名無しのスタンド使い
slsdl;;っっq
 
315 名無しのスタンド使い
>>314 もちつけ
 
316 名無しのスタンド使い
>>314 ふじこになってないぞ
 
317 名無しのスタンド使い
防止さんがテレビでtる
 
318 名無しのスタンド使い
は?
 
319 名無しのスタンド使い
>>317 日本語でおk
 
320 名無しのスタンド使い
GG放送の海の生き物!!!
 
321 名無しのスタンド使い
まじだ
 
322 名無しのスタンド使い
え?何
 
323 名無しのスタンド使い
wwwwwほんとだwwwwww
 
324 名無しのスタンド使い
えええええええええええええええええ
 
325 名無しのスタンド使い
まwwじwwwかwwww
 
326 名無しのスタンド使い
あああああああああああああああああああ
 
327 名無しのスタンド使い
まだ職場なんだけど教えて
 
328 名無しのスタンド使い
GG放送「海のいきもの大発見」ゲストT大学教諭空条承太郎博士
帽子さんだ
 
329 名無しのスタンド使い
wwwwwwwwwwwwwwww
 
330 名無しのスタンド使い
うっわすげえイケメンwww眩しいwww
 
331 名無しのスタンド使い
本当に?人違いじゃなくて?
 
332 名無しのスタンド使い
こんなイケメン間違えねえよwwwww
 
333 名無しのスタンド使い
安定の帽子
 
334 名無しのスタンド使い
Wikiあったwwwwwwww
 
335 名無しのスタンド使い
マジでwwwwwwww
 
336 名無しのスタンド使い
空条承太郎
海洋学者・海洋冒険家。
T大学教諭。
××年に発表した新種のヒトデの論文で有名になる。
日本とアメリカのハーフ。
父親にジャズ・ミュージシャンの空条貞男、祖父に不動産王ジョセフ・ジョースターを持つ。
今年で26歳らしいぞ
 
337 名無しのスタンド使い
スペック盛りすぎワロタ
 
338 名無しのスタンド使い
帽子さんインテリだったんだな
 
339 名無しのスタンド使い
どこの少年漫画の主人公だよwwwww
 
340 名無しのスタンド使い
ここまでの空条承太郎氏まとめ
・イケメン
・頭がいい
・金持ち
・195センチ
・ハーフ
・素手で熊を倒せる
・花京院オタク
 
341 名無しのスタンド使い
忘れてたwwwwww
 
342 名無しのスタンド使い
最後wwwwwwwwwwwwwww
 
343 名無しのスタンド使い
ハーフ・学者・家柄このへんだけなら完璧だったのに……
 
344 名無しのスタンド使い
テレビの前で顔を赤らめているだろう全国の女性たちはこのことを知らないのだ……
 
345 名無しのスタンド使い
テレビ板のほうでもスレ立ってるwwww
 
346 名無しのスタンド使い
そりゃあなwwwwwwww
 
347 名無しのスタンド使い
あーすでに荒れてら
 



 
387 名無しのスタンド使い
なんか普通に話分かりやすくて面白いな
 
388 名無しのスタンド使い
だよな
 
389 名無しのスタンド使い
ヒトデってすごく面白い生態してんだな
 
390 名無しのスタンド使い
この人の授業受けてみたい
 
391 名無しのスタンド使い
それにしてもいちいち出てくる「イケメンすぎる海洋学者」ってのどうにかならねえかなーーー
 
392 名無しのスタンド使い
ほんとだよな マジメに話してんのに
 
393 名無しのスタンド使い
この人も苦労してるんだろうな
 
394 名無しのスタンド使い
何やっても顔が家柄がって言われるだけなのかもなー
 
395 名無しのスタンド使い
一般人なのにな
 
396 名無しのスタンド使い
ただ声優のファンってだけで誰にも迷惑かけてないのにヲチスレまであるもんなあ
 
397 名無しのスタンド使い
そうだな…
 
398 名無しのスタンド使い
………
 
399 名無しのスタンド使い
なあ、このスレこれで終わりにしねえ?
 
400 名無しのスタンド使い
俺もそれ言おうと思ってた
 
401 名無しのスタンド使い
最近は雑談スレになってたしな
 
402 名無しのスタンド使い
あんまあの人にちょっかい出すのやめようぜ
 
403 名無しのスタンド使い
まーあの人が目を引くのは確かだけどな
なんかオーラ出てるし
 
404 名無しのスタンド使い
でもやっぱり一般人だし、ここまでにしようぜ
 
405 名無しのスタンド使い
正体分かったしキリもいいよな
 
406 名無しのスタンド使い
お前らと離すのは楽しかったぜ!
 
407 名無しのスタンド使い
俺も!
 
408 名無しのスタンド使い
同じ花京院ファンだしな!
 
409 名無しのスタンド使い
別のスレでまた会えるといいな!
 
410 名無しのスタンド使い
よーしじゃあ解散!
 
411 名無しのスタンド使い

 
412 名無しのスタンド使い
乙!

 
 
 

ジョジョ
再来週のJJイベント行けることになったよ(*^_^*)
 
花京院様ラブ
@ジョジョ
いいな~!あたしは学校の用事があるからお留守番><
 
名無美@CD買った♡
@ジョジョ
あたしも行くよ~!
 
脇差見に行ったA子
@ジョジョ @名無美@CD買った♡
再来週ってお台場のイベント?私も行くよ!(^o^)
 
名無美@CD買った♡
@ジョジョ @脇差見に行ったA子
ホント?一緒に行かない??
 
脇差見に行ったA子
@ジョジョ @名無美@CD買った♡
いこいこー!楽しみ!
 
ジョジョ
@名無美@CD買った♡ @脇差見に行ったA子
わたしはやめとくよ(´・ω・`)
 
花京院様ラブ
ジョジョっちガード固いw
 
脇差見に行ったA子
同じオタクだし気にすることないのにwww
 
ジョジョ
ごめんね><でもやっぱむり;
 
名無美@CD買った♡
@ジョジョ
そっか~だったら無理しないでいいよ!

 
 
 

承太郎にも学校の用事が入りそうだったのだが、鉄面皮で「わたしがこの日休むことは、1ヶ月前から分かっていたことだ。君の執筆速度にあわせて休みを返上することはできない」と伝えて休むことにした。
言われた学生は半泣きだったが、レポートの期限は期限だ。
そうして承太郎は、ワクワクとイベントに赴いた。
 
 

アニメや漫画のイベントでは、承太郎はいつも浮く。
だが幼稚園から大学院、そしてその先でも常に浮いていたのだから、いまさら気にすることではない。
チラチラと寄越される視線にも慣れたものだ。
舞台上では、声優たちが掛け合いを行っている。
承太郎はそれを、文字通り眩しい物を見るような目で見つめた。
花京院はまだ17歳だ。
トークはしっかりしているが、ところどころに歳相応のあどけなさが出ていて、大変かわいい。
承太郎は成人した男性であるからして、気になる相手を組み敷きたいという欲求は、人並みにある。
顔に出ないだけだ。
男をそういう対象に考えたことは今までなかったのだが、花京院なら問題ない。
ウェルカムである。
舞台上の彼を見ながら考えるのはそんなことだが、家に帰ってヘッドフォン(花京院のファンになってから新調した)から流れてくる渋い声を聞いていると、この声になら抱かれてもいいな……と思えるから不思議だ。
承太郎は舞台をすっかり堪能して、物販のコーナーに向かった。
応援したいという気持ちが半分、花京院の出ている音源や担当しているキャラを買い逃したくないという気持ちが半分で、いつも作品の物販コーナーはほぼ全てを買っている。
買わないのは、在庫の少なそうな女の子キャラのグッズくらいのものだ。
今回もコーナーを一周りして商品を手に、レジに並んだ。
ふと、すぐ後ろから「ジョジョ」というような単語が聞こえた気がして、振り向いた。
こちらを見ていた何人かが、ぱっと目をそらす。
気のせいかと思ってまた前を見た。
 
 

「……びっくりしたあ」
「エーコが何か言ったんじゃない?」
「まさかー!ナナミこそイケメンだって言ってたじゃん」
「でも本当じゃん。あたし初めて見たよ~。ジョジョちゃんも見たことあるのかな」
「ジョジョちゃんも来てるって言ってたよね」
 
 

承太郎がその会話の内容を理解してまた振り返ろうとしたちょうどその時、「次の方3番レジへどうぞ~」と声がかかった。
承太郎は後ろ髪を引かれる思いで会計を済ませた。
それで別れてしまうのだったら、承太郎はそれでもいいと思っていた。
ところが出口へ向かう人の流れは一定で、エーコさんとナナミさんの会話は、聞き耳を立てるまでもなく耳に入ってきた。
「花京院さん素敵だったね~!」
「いい声してるのに、座り方なんか乙女っぽいよね」
分かる。かわいい。
「今日の声ちょっとアッシュの声に近くなかった?」
「分かる~。あれで小松っちと同じ声とか信じらんないよね~!」
「エーコはアッシュと小松っちだったらどっちが好き?」
「私は小松っちかな~。ナナミはアッシュでしょ?」
「バレてる!」
アッシュも小松っちもいいキャラだが、あえて言うなら俺は小松っちだな。
「この後どうする?駅こっちだけど」
「先にどこかでお茶しない?ちょっと座りたい」
「カフェ探そっかー!」
…………混ざりたい。
承太郎がその時振り絞った勇気は、ロンドンの学会で発表をした時のものより大きかった。
 
 

「……あの」
「ふあっ!?」
「はっ!?」
振り向いた先にいた二人の女子は、周りをきょろきょろと見渡した。
一人は黒髪を後ろで束ねた、化粧っけのない眼鏡の女の子だ。
薄手のタートルネックにジーンズを合わせている。
もう一人は長いまつげが目の下に影を作り、計算された形に茶髪を巻いた女の子だ。
ふんわりしたワンピースに、白いタイツを組み合わせている。
ファッションの趣味が全く違うようだが、彼女らはファッションで繋がっている友達ではない。
「きみたち二人に話しかけたのだが」
「へッ!!?」
「ななななんですか!?」
二人は目に見えてうろたえた。
承太郎の目の前に来る人間には、2パターンある。
承太郎を熱心に見つめてくるタイプと、目をそらして逃げていくタイプだ。
承太郎は去るものを追わないので、自然前者が周りに集まるのだが、彼女らは後者のようだった。

 
 
「もしカフェで話すのなら私も混ぜてもらいたいのだが」
「はァッ!!?」
「なんで!!?」
「………そっちは、先週○○城まで脇差を見に行ったA子さんで、」
「えッ!?」
「そっちが、数学がギリギリ赤点回避だった名無美さんでは」
「なっ…んで、」
「わたしがジョジョだ」
「………………………マジで?」

 
 
何かの間違いか悪戯では、と言われたので、スマホでSNSのホーム画面を見せて納得してもらい、承太郎とA子と名無美は駅前のカフェに入った。
二人ともぽかんとしている。
周りから視線が送られているのにも気づいていないようだ。
「えーーー…っと……その………ジョジョ…さん」
「いつも通りジョジョちゃんでいい」
「いやあそれはちょっと」
A子が苦い顔をした。
一周回って落ち着いてきたらしい。
「っていうかジョジョさんなんでうちらに声かけたんですか他にも女の子いたのに」
早口なのはご愛嬌である。
「そりゃあ、きみたちが普段リプをくれるフォロワーだからだ」
「…っく……」
今度は名無美のほうが小さく吹き出した。
「ちょっとナナミ」
「だって……その顔でリプくれる、とか」
「あいにくこの顔は生まれつきでな」
「近くで見るとますますヤバイ…」
「確かに……」
「………」
「…………」
「……………」
気まずい沈黙。
承太郎は彼女らに声をかけたことを、若干後悔し始めてきた。
二人ともホットのドリンクを頼んだというのに、全く手を付けていない。
ため息をつきそうになって、承太郎はそれをぐっと飲み込んだ。
自分の一挙一動が無駄な威圧感を与えてしまうことは自覚している。
二人とも目を泳がせているので、承太郎も何となしに彼女らから目をそらした。
ふと、A子の鞄についていた缶バッジに目がとまる。

 
 
「その缶バッジ」
「えっ!?へ、あ、ああこれ」
「ガチャガチャで手に入らなかったから、結局ショップで買った」
「ガチャとかやるんですか」
「人生初ガチャだった。両替も」
「結構レアですよね」
「主人公サイドだがレギュラーではないからな」
「色で言ったらシルバーみたいな」
「色?色とはいったい?」
「レンジャー的な意味ですよ」
「レンジャー?」
承太郎が分からなさそうな顔をしたら、彼女らは赤をリーダーとする『色のお約束』を教えてくれた。
「なるほど、確かにシルバーだ。花京院くんのカッコいい声に合う」
「ですよね!」
「花京院くんは渋い声のイメージでデビューしたから、そういった役が多いな」
「でも星十のキャラはもう少しさわやか系っぽいですよね」
「PV見た!」
「見た見た!」
「わたしも見た」
「既にJKっぽい感じしてた!!」
「JK?」
承太郎が疑問を口に出すと、二人の体が固まった。
「えっ…と……」
「ああ、BLか。JK…というのは、主人公のほうが攻めだな」
「あ……はい」
承太郎はこの温度差を少し悲しく感じた。
「わたしは花京院くんの声なら攻めでも受けでもどちらでも行ける」
「あ、私も」
「あたしは受け固定です」
「そうか」
「はい」
「………」
「…………」
「……………」
気まずい沈黙ふたたび。
「……よかったら」
「は、はい」
「なんでしょう」
「Jojotterでは今までと変わらず接して欲しい。同じ花京院ファンの仲間として」
「……仲間」
「そう…ですね。顔見ながらはさすがに無理ですけど、顔や性別で差別しちゃ駄目ですよね!」
「そうだね…!その、これからもよろしくお願いします」
「こちらこそ」
そうして気まずいながらも楽しいひとときを過ごした承太郎は、空気を読む能力を最大限まで振り絞って、彼女らより先に店を出ることにした。
二人だけで話したいこともたくさんあるだろう。
それにしても、と承太郎は思った。
声優の熱狂的なファンはいいものだ。
彼女らのNo.1は花京院であるから、承太郎のことは眼中にない、とまではいかないだろうが、無闇に騒がれることがない。
人間には興味のない、イソギンチャクや魚類が恋人という研究室の面々と同じように付き合いやすい。
承太郎は、花京院に感謝することがまたひとつ増えたな、と思っていた。

 
 
 

ジョジョ
JJイベント楽しかったよ~!(^o^)
 
花京院様ラブ
@ジョジョ
おかえり~
 
脇差見に行ったA子
びっくりした
 
名無美@赤点回避
びっくりした
 
花京院様ラブ
? なにかあったの?
 
脇差見に行ったA子
@花京院様ラブ
DMする
 
花京院様ラブ
mjd
 
名無美@赤点回避
@花京院様ラブ
マジ
 
ジョジョ
もしかしてわたしのこと?
 
脇差見に行ったA子
@ジョジョ
うん
 
花京院様ラブ
@ジョジョ
本当の本当に?
 
ジョジョ
@花京院様ラブ
本当だよ。でも今まで通りにしてくれたら嬉しいな(´・ω・`)
 
名無美@赤点回避
wwwwwwwwwwww
 
名無美@赤点回避
@ジョジョ
ごめwwwwなんかいきなりウケたwwwww顔文字似合わないwwww
 
脇差見に行ったA子
@ジョジョ @名無美@赤点回避
確かにwwwww
 
ジョジョ
だめ?(´・ω・`)
 
名無美@赤点回避
@ジョジョ
だめじゃないよwwwwもういいよwwwww
 
ジョジョ
@名無美@赤点回避
よかった(・ω・*)また花京院くんの話したい
 
脇差見に行ったA子
そういえばこの人うちらと同レベルの花京院オタクだったわwww
 
花京院様ラブ
そうだったwww
 
名無美@赤点回避
イベントでの花sも素敵だったよ!
 
ジョジョ
うん、すごくよかった
 
花京院様ラブ
いいな~あたしも行きたかったな!

 
 
 

空条承太郎>
今日はJJイベントに行ってきた。楽しかった。
 
<テンメイ
僕もいましたよ!
 
空条承太郎>
そうなのか。声をかけてくれてよかったのに。
 
<テンメイ
恥ずかしくて…でも今度、ちゃんとお礼をさせてください
 
空条承太郎>
サイン色紙で十分すぎるほどしてもらっている。
 
<テンメイ
ちゃんと、僕個人としてのお礼がしたいんです
 
<テンメイ
なんか、なあなあになっちゃっててよくないと思って
 
<テンメイ
今は日本にいらっしゃるんですか?
 
空条承太郎>
ああ。しばらく研究室で論文の執筆に専念するつもりだ。
 
<テンメイ
そういえばテレビに出てましたよね!
 
空条承太郎>
見たのか。
 
<テンメイ
途中からしか見てないんですが サメの話、面白かったです
 
空条承太郎>
それはよかった。
 
空条承太郎>
普段はもう少し専門的な話をしているから、テレビ向けの話のストックがなくてな。
 
<テンメイ
すごく分かりやすかったですよ!専門用語は分かりませんが、もっと聞いてみたいと思いました
 
<テンメイ
論文の執筆って忙しいんですか?
 
空条承太郎>
来月末くらいから息も絶え絶えな状態になるといったところだろうな。今はそれほどでもない。
 
<テンメイ
じゃあ今のうちに会えませんか?ご飯をごちそうさせてください
 
空条承太郎>
別に大したことはしていないのだから、そんなことはしてもらわなくてもいいのだが。
 
空条承太郎>
確か働いていると言っていたが…
 
<テンメイ
はい、結構稼いでるんですよ だから大丈夫です
 
<テンメイ
そうしないと僕の気が済まないんです
 
空条承太郎>
それでは仕方ないな。

 
 
 

そうして承太郎は、週末に少年と会うことになった。
強引に承太郎と会う約束を取り付けようという輩はたくさんいる。
だが彼は、なぜだが嫌な感じがしなかったのだ。
同じアニメファンだからだろうか。

 
 

約束の日、待ち合わせ場所にやってきた少年は、やはり帽子とサングラスで顔を隠していた。
「お待たせしました」
「いや、わたしも来たばかりだ。きみは…」
「ああ、別にここまでする必要はないと思ったんですが。僕も別に有名人ってわけじゃあないし。ただ僕よりあなたのほうが目立つから、またヲチとかされたら嫌だなと思って」
「おち…?」
承太郎は少年の言葉と、そしてやはり聞き覚えのある声に首を傾げた。
「あっちの方に、よく行くレストランがあるんです。個室もあるので話しやすいですよ。そこでいいですか?」
「ああ」
レストランでは少年は常連らしく、すぐに個室の席に通された。
個室に入ると、少年は帽子とサングラスを外した。
 
 

「…………花京院?」
「はい」
「まさかだろ」
「僕こそまさかですよ。いつもイベントに来てくれる空条さんに助けられるなんて」
「何かの冗談か?」
「ひどいなあ。本気でお礼したかったんですよ。それに僕を声で分かってくれなかったのもひどいじゃないですか。この前にしても今日にしても」
「いや、花京院くんが実在しているとは思っていなかったから」
「……僕は人間ですが」
「それは知っている。だが花京院は画面の向こうか舞台の上にいる人間で、まさか目の前にいるなんてこと、考えたことがなかったものだから」
「そんな……有名アイドルじゃあないんですから…」
少年、もとい花京院は頬をうっすら染めた。
かわいい。
「ほら、食べるもの選んでください。この店はパエリアが美味しいんですよ」
彼のいい声に促されて、承太郎は魚介類のパエリアを頼んだ。
花京院はうんうん悩んだ末にパスタを選んだ。
「……花京院くんは」
「花京院でいいですよ。年下だし」
「そうか。それではわたしのことは承太郎と呼んでくれ」
「へあっ!?」
余裕そうな顔をしていた花京院が素っ頓狂な声を上げたので、承太郎は思わずくすりと笑った。
こんな表情を、もっと見てみたい。
 
 

「きみの声でそう呼ばれてみたい。わたしときみは、友人だろう?」
「そうですね……じゃあ、承太郎さん」
「ああ。それで、花京院はわたしがきみのファンだと知っていただろう?会いたくないとは思わなかったのか?」
「ええと……確かに、握手会とかに来てくれてた頃は……今も来てくださいますけど……別に、特に会いたいとは思ってなかったです。怖そうだし…あ、すみません」
「よく言われる」
「でもほら、この前襲われてたところを助けてくれたじゃないですか」
「だが一人でも大丈夫だったのだろう?」
「これでも一応、鍛えてますから」
「ジムに通っているそうだな」
「そうです。それ喋ったのどこだっけ」
「先月のアイスタのWebラジオでゲストだった時だ」
「わあ、さすが……。ええと、それで、不良はそんなに怖くなかったんですけど、助けてもらったあとにフィギュアの心配してくれたじゃあないですか」
「ああ、そうだったな。わたしもせっかく買ったフィギュアが壊れたら嫌だからな」
「そうですよね!それで、なんかいきなり身近に感じちゃって。あとJINEで話してるうちに気が合うな―って」
「それはわたしも感じていた。きみと話してみたいと思っていた。……花京院だとは思っていなかったが」
「なんだか騙してたみたいですみません。サインのこととか…」
「あれか。玄関に飾ってる」
「げ…!?は、恥ずかしいな!」
「わたしの名が入った花京院のサインだ。当然だろう」
「うー……」
「知っていると思うが、わたしは花京院典明が好きでな」
「知ってますが…」

 
 
花京院がよく分かっていなさそうな、膨れた表情をしていたので、承太郎は自分がいかに花京院を好きか、どこがどういいのかを切々と語った。
パエリアとパスタが運ばれてくるまでタイミングがつかめず、花京院はそれを真っ赤になりながら聞くはめになった。
「………あの、承太郎さん、冷めるといけないので」
「ああ、そうだな。でもまあ、これで分かってくれたと思うが」
「分かりました!すごく分かりました!ありがとうございます!!」
花京院がそう言うと、承太郎はぽかんとした顔になった。
承太郎にとって花京院がとてもいい声優で、それを好いているのは当然のことであり、お礼を言われるようなことだとは思っていなかったのだ。

「あの、その、僕の話はよぉく分かりました。今度は…承太郎さんのこと、聞いてもいいですか?」
「わたしの?特に面白いことはないと思うが」
「僕が知りたいんです」
そこで承太郎は花京院に尋ねられるまま、自分についての話をした。
彼がヒトデの生態に興味を持ったので、承太郎はなるべく専門的でない言葉を選びながら、今書いている論文について話した。
彼はよい生徒だった。
もちろん他に、アニメや漫画の話もした。
皿が空になり、食後のコーヒーもなくなる頃には、彼らはすっかり意気投合していた。
 
 

「そういうわけで、今度のアニメはなるべく原作に忠実にっていう方針なんです。昔から好きな漫画だったんですが、役作りにあたって何度も読み返したので、承太郎さんも始まるまでに原作読んでください!」
「もちろんだ」
「それで、その話もしましょう!僕、第2編と第6編が特に好きなんです」
「ああ、すぐ読む」
「やった!あの、よかったら、また会ってくれませんか?」
「わたしも会いたい」
「よかった!もう会うのは嫌だって言われたらどうしようかと思っていたんです」
「なぜ?」
「僕が、花京院だから……でも友人って言ってもらえて嬉しかったです」
「そうか」
頬を染めて笑っている少年を見て、承太郎は胸の内から何か暖かいものが湧き上がってくるのを感じていた。

 
 
 

198 名無しのスタンド使い
典明くんprpr
 
199 名無しのスタンド使い
>>198 阻止
 
200 名無しのスタンド使い
200ゲト
 
201 名無しのスタンド使い
ちょっとwwwwお前らwww帽子さんって覚えてる?www
 
202 名無しのスタンド使い
>>201 スレチ
 
203 名無しのスタンド使い
スレチっていうかあの人は一般人だからヲチやめたんでしょ
 
204 名無しのスタンド使い
いやそうなんだけどさwww星十のコレクターズ・エディション見たやついる?
 
205 名無しのスタンド使い
明日届く
 
206 名無しのスタンド使い
俺も
 
207 名無しのスタンド使い
あーもう発送されてんのか
 
208 名無しのスタンド使い
さっき届いたけどまだ開けてない
 
209 名無しのスタンド使い
>>208 特典映像のアフレコ現場のとこ見てみ
 
210 名無しのスタンド使い
何?
 
211 名無しのスタンド使い
wwwちょwwwwwwwwww
 
212 名無しのスタンド使い
どしたん?
 
213 名無しのスタンド使い
帽子さんいるwwwwwwwww
 
214 名無しのスタンド使い
マジでwwww
 
215 名無しのスタンド使い
なんでwwwwwwwwwwww
 
216 名無しのスタンド使い
分からんwwwwwwwwwww
 
217 名無しのスタンド使い
あの人海洋学者でしょ?
 
218 名無しのスタンド使い
何かの仕事してるって感じじゃなくて、ただ花京院見てる
 
219 名無しのスタンド使い
何者だよwwww
 
220 名無しのスタンド使い
海洋学者って声優にコネあるんです…?
 
221 名無しのスタンド使い
お近づきになったのか?
 
222 名無しのスタンド使い
行動力パネェ
 
223 名無しのスタンド使い
なんだ、帽子さんって俺のことか
 
224 名無しのスタンド使い
>>223 釣り乙
 
225 名無しのスタンド使い
>>223 釣り乙
 
226 名無しのスタンド使い
なんでアフレコ現場にいるんですかあ~?
 
227 名無しのスタンド
恋人になったからだ
 
228 名無しのスタンド使い
は?
 
229 名無しのスタンド使い
>>227 イミフ
 
230 名無しのスタンド使い
>>227 釣り乙
 
231 名無しのスタンド使い
言うなと怒られた。見なかったことにしてくれ
 
232 名無しのスタンド使い
どこでデートしてるの?
 
233 名無しのスタンド使い
>>232 構うなよ
 
234 名無しのスタンド使い
電気街とか俺の家とか、ジムとかだな
 
235 名無しのスタンド使い
花京院の行ってるジムって招待制のとこだろ
 
236 名無しのスタンド使い
釣り乙
 
237 名無しのスタンド使い
名刺を見せたら入れたぞ
 
238 名無しのスタンド使い
帽子さんならありそうだよな…
 
239 名無しのスタンド使い
お前がほんとに帽子さんならID書いた紙と一緒に帽子の写真うpしろ
 
240 名無しのスタンド使い
イルカさんついてるやつなwww
 
241 名無しのスタンド使い
あれどこで買ってるんだろうなwwwwww
 
242 名無しのスタンド使い
これか
【写真】
 
243 名無しのスタンド使い
えっ
 
244 名無しのスタンド使い
えっ
 
245 名無しのスタンド使い
>>恋人になったからだ
えっ

 
 
 

「………承太郎」
「なんだ」
「……そこに正座しなさい」
「なぜだ」
「なぜだじゃあッ!!ないッ!!!」