運命論についての見解(R-18)

いわゆる「オメガバース」設定です。
本文内でぼんやり説明があるので別にぐぐらなくても大丈夫です。
でもって承太郎女体化の上で、承花です。

 
 

「この世には2種類の性がある」
「ああ」
「1つは雌雄、男女の差だ。この2つの異性が揃うと子供ができる。1つ目の繁殖だ」
「その通りだ」
「2つ目はα、β、Ωと呼ばれる呪われた性だ」
「まあそう言ってやるな」
「男女とは別にあるこの性、これによって人間の性質が決まると言われている」
「そうなりやすいってだけの話だと思うがな。人間なんだから個人差がある」
「…まず、αという性。これは支配者だ。生まれながらのリーダーというやつで、社会もそれを容認しているから、まあ暴君になるよなあ。カリスマ性があるとか、能力が優れているとか、判断力があるとか言うけど」
「裏を返せば、少々ステータスが高いだけで、自分勝手で冷酷、人の話を聞かないってやつだ」
「で、次はβ。これが人口の大半を占める。普通、一般、平凡という性だ」
「何が普通でどういうものが一般でどうすりゃ平凡なのか、具体的に聞かせてもらいてェもんだな。”みんなと一緒”ほど曖昧なものはねえ。αでもΩでもない性を一緒くたにしてるだけだろ」
「厳しいな。で、最後がΩだ。これは生殖のための性だと言われている。この性には発情期というものが存在する」
「俺に言わせりゃ、Ωにあてられてあっさり発情するαやβの方が、年がら年中発情期だと思うがな」
「その点は僕も同意するよ。同じ人間で一部だけ”発情期”なんて、言い方が悪い。ただ、確かにΩのこの期間、彼らは生物として特異な性質をもつ。……相手が男であれ女であれ、αでもβでもΩでも…どんな相手とでも子供を作ることができる。これが2つ目の繁殖だ」
「ああ、本当に興味深いと思ってるぜ。繁殖方法が2つもあるなんざ、冷静に考えるとかなりおかしい。これらが同じ人間で、異なる性の間で子供ができるってのが驚きだ。しかも発情期においてΩがその強烈なフェロモンで誘惑する相手が、同じΩじゃあなくてαやβっていうんだからな」
「まあその点について、今日は議論はやめておこう。僕は目の前のこの状況を何とかしたい」
「というと?」
「だから、顔を赤くして目を輝かせて、ひどい勢いでフェロモンを発している君にのしかかられている状況だよ!」

 
 
どうしてこんなことになったのか、順を追って思い出してみよう。
僕は普通の、一般の、そして平凡なβ性の男子高校生だ。
社会的に優位なαでもなければ、正直虐げられているといっても過言ではないΩ性でもない。
もちろん、発情期もない。
普通で一般で平凡な性欲は持っているが、他のβと大きく異るとは思っていない。
で、そんな僕だが、ありふれた、まあちょっとだけレベルの高い新学校に通っている。
少ないとはいえ、αの人やΩの人もクラスにいる。
αの人は纏うオーラが違うので一発で分かるし、Ωの人は三ヶ月に一度くらいの割合で、一週間程度の休みをとるからこれもすぐに分かる。
両方友達にはいないが……人付き合いが苦手なので、そもそもβの友達もこれといっていないけど……。
それで、そんな僕の学校に、転校生がやってきたのだ。
彼女の名前は空条承太郎。
男性のような名前だが、外国の血筋を引いていて、日本の名前に明るくない親戚が名付け親だとか。
彼女は頭もよく、性格もはっきりしていて、人の上に立つのが当然のような人物だった。
背も高く、体つきもたいへん、なんというか、グラマラスである。
そしてその上に乗った小ぶりの顔ときたら!
神様が完全に贔屓をして、本気を出して作成したんだろうなあ。
彫りが深い顔立ち、高く整った鼻筋、ぽってりと厚い唇、そして濃いまつげに縁取られたエメラルドの瞳!
美しく光るそれに射抜かれては、誰もが彼女の虜になってしまうのも仕方がないというものだ。
かくいう僕もその一人である。
僕は転校生だと紹介された彼女を、その目を見て、一目で心を奪われてしまった。
そしてその直後にその思いを諦めた。
無理だ、彼女はαの中でも特別だ。
これからの輝く人生に、僕のようなちっぽけな、何の特徴もないβは一生関わりがない。
彼女と対等なαでもなければ、彼女の遺伝子を効率よく残せるΩでもない。
そう思って、彼女に群がる男たち――女も混じっているが――を横目に、平々凡々な日常を繰り返……そうとした、のだけれど。
ある日いつものように一人で帰宅しようと準備している僕の上に、何かの影が落ちた。
顔を上げた僕の目に映ったのは、空条承太郎の凛々しい顔だった。
「花京院、だったな?」
「は、はい」
「俺の名は空条承太郎という」
「し、知ってます」
「今から下校か?」
「はい…」
「俺も一緒に帰るぜ」
「はい……えぇっ!?」
「嫌か」
「い、いえいえ嫌ではないです!」
そんなこんなで、なぜだか僕らは二人で下校するようになった。
毎日承太郎が迎えに来るのだから仕方がない。
慣れというのは恐ろしい物で、初めは少々驚いてびくついていた僕も、今では彼女のことを下の名前で呼ぶようになってしまっている。
彼女とは一緒に帰る中で、色々なことを話した。
好きなアーティスト、食べ物、映画。
それらは全然違うものだったけれど、それは気分の悪いことではなく、新しい発見に満ちた楽しいことだった。
それに、彼女のことを知ることができて、僕はとても嬉しかった。
自分ではない誰かのことを知るのが楽しいなんて!
これが友人かというものかと思って、幸せな気分になったのだ。
それで、承太郎から休日に遊びに行かないかと誘われた時も、僕はその、「友人」の延長だと思っていた。
だから気軽に承諾したのだ。
待ち合わせをして、一緒に映画を見て食事をして、とても……
「今日は楽しかったよ!」
「ああ、俺もだぜ」
「承太郎、今日は誘ってくれてありがとう。嬉しかった」
「そうか」
承太郎は、初めて見せるような柔らかい顔をして微笑んだ。
僕はその笑顔に釘付けになって固まってしまった――唇に温かい感触を覚え、僕の体は再起動した。
「な、え、な、何を…!?」
「デートの終わりに恋人がキスをするのは当然じゃあないのか?」
「こ、恋人!?」
「……毎日いっしょに帰って、休みにデートしてそれが楽しかったと言われた。俺としてはきちんと順序を踏んだつもりなんだが」
「確かに、言われてみれば……」
「オイ気付いてなかったのか」
「うう、申し訳ない……こんなに人と親しくするのは生まれてはじめてで……友達だと思ってた」
承太郎は顔に手を当てて天を仰ぐと、長い溜息をついて「…やれやれだぜ」と言った。
「嫌か」
「まさか…!むしろ君こそ、僕なんかでいいのか?」
「ああ、お前がいいって言ってる。俺はお前のことが好きなんだ」
「どうして僕を…?」
「俺のことを見てただろう、ずっと。なのに決して近寄ってこなかった。それで興味が湧いた。俺からもお前のことを見ていたら、色々分かってな…例えば数IIは得意だが数Bはそれほどでもないとか、携帯で延々テトリスやってるとか、弁当には必ずチェリーが入ってるとか」
「そ、そんなことまで」
「それで下校に誘った。話してみればお前は頭も回るし、気の利いたことを言うし、俺にも物怖じしねえ。気に入ったというわけだ。お前こそ俺のことを一切そんな目で見てなかったっていうのか?ただの友人だと?俺で抜いたりしてねえのか?」
「ぬっ……!………」
「よし、じゃあ付き合うのに問題はねえな。俺はお前が好きだ。お前も俺が好きだろう。今日から俺らは恋人同士だぜ。異論は?」
「ないです……。よろしくお願いします……」

 
 
そんなことがあったのが、だいたい二ヶ月とちょっと前だ。
承太郎は僕と付き合っているということを隠すつもりはさらさらないようで、次の日から僕は大勢の生徒に噂されていじめを受けた…わけでもなかった。
いつもどおり、承太郎と一緒にいるのを微妙に遠巻きにされるだけだ。
首をひねって承太郎にそのことを話すと、彼女は盛大に呆れたという顔をした。
「あのなあ、俺がお前に声をかけた時点でもう噂になってんだよ。あれだけ毎日一緒にいて、おい下校だけじゃあねえぞ。休み時間も自習の時もお前のそばに行ってただろ。あの頃から俺らは付き合ってると思われてんだよ。気付いてなかったのはお前だけだ」
「身の縮む思いです……」
そういう感じで、僕と承太郎の交際は、思ったより平穏に続いた。
彼女の家に遊びに行ったこともある。
僕の方は普通のβの家庭で、両親とも仕事で夜まで帰らないから、彼女が僕のアパートに来たことはないが。
承太郎の家は、なんというか、豪邸だった。
こんなの漫画でしか見たことがない。
次に来た時でも絶対に迷う自信がある。
手間もお金もかかってそうな日本庭園には鹿威しすらある。
承太郎の部屋には小さな机しかなくて、あとは本棚とかラジカセとかギターとかで、勉強机らしいものもなかった。
和風の家だし寝るときは布団なのかと聞いてみたら、確かに夜は布団を敷くが、寝室と勉強部屋はこことは別にあると言われた。
すごい。
αが優遇されてて金持ちが多いのは知っていたけど、これほどとは。
いや、テレビや雜誌で見るαの暮らしもここまでじゃあないから、承太郎のところがαの中でも本当に、エリート中のエリートなのだろう。
マジで僕でいいのか。
何のとりえもないβだぞ。
性別なんざ関係ねえ、と承太郎は常々言っているけれど。
承太郎のお母さんのホリィさんという方は、αらしい威圧感みたいなのは感じさせないほど暖かく優しい女性で、恋をするなら――とか冗談で考えたけど、命が惜しいので口には出さなかった。
ホリィさんの手作りだという焼き菓子はどれもこれも美味しくて、それをいただきながら承太郎とお喋りをしたりゲームをしたり(ゲーム機は僕が持ち込んだ)心地良い沈黙の中で本や漫画を読んだりするのは、とても楽しいことだった。
それである休日、つまり今日、家に来ないかと誘われて、僕はまた学習もせず、ホイホイ遊びに行ったというわけだ。
こんなことになるとは知らずに。

 
 
「じ、承太郎、ホリィさんが」
「明日まで帰ってこねえ」
「昼間だぞ、」
「お前のことがよく見えるな」
「ぼ、僕らは学生だし」
「Ω性の関係で妊娠したら公的措置が取られて休学できるのは知ってるだろ」
「僕はβだよ!」
「俺がΩだ」
「は…………はァ?」
彼女に『あてられて』少々頭が働かなくなっていた僕でも、その言葉には冷静にならざるを得なかった。
確かに承太郎は、自分の性がどれかとは口に出したことはなかった。
今まさに僕の体に押し付けられている柔らかくて大きい胸とか太ももとかも、Ωはそっちのホルモンが強くて大きくなりやすいと聞く。
だからってまさか…だってどう見ても。
「う、嘘だろ?」
「本当だぜ。両親がαとΩで、Ωが生まれるのは珍しい方だがな、間違いねえ。αの遺伝子をわりと強く引き継いでるみたいだがな。オーラだとかふざけたこと言うなよ、そんなもん何の確証もありゃしねえ」
「でも君、発情期とか来てなかったような…」
「抑制剤を飲んでる。入手方法が限られてる高価なやつだ。今日は飲んでないがな」
「あー、だからフェロモンがすごいことになってるのか……本当にすごいな、匂いだけで僕、今大変なことになってるんだぞ」
「そりゃあよかった」
「でも君…だって…αだとばかり…Ωだなんて…」
「おいおい落ち着けよ、αだとかβだとかΩだとか、そんなのは人間の区別方法の一つにすぎねえ。そいつらがどういうものだか、もう一度おさらいしてみるか?」
……こうして冒頭に戻るというわけだ。

 
 
「でも承太郎、君、本当にΩならαの人と、」
「αと、何だ?お前も子供がαになりやすいってだけの『つがい』信仰者か?」
「違うよ!…違うと思う。心が伴わない生殖なんて、そんな、感情を大事に社会を築いてきたはずの人類が、未だにそんなことに縛られているなんておかしいと思う」
「じゃあΩがαとつがう『べき』だなんて言ってくれるなよ」
「それは……そうだね。好き合ってるなら性別なんて関係ないと思う」
「俺もそう思ってるぜ。で、俺はお前のことが好きだ。お前は?」
「僕も…君のことが好きだよ」
「じゃあ何も問題はねえな。悪い、もう、限界だ」
はあ、はあと息の上がった承太郎に口付けられる。
彼女の帽子がぽとりと落ちる。
今まで触れるだけのキスはしたことはあったけれど、それとは比べ物にならない。
承太郎が角度を変えて、舌を差し入れてきた。
とてもとても熱い。
怖気づいて引っ込んだ僕の舌を絡めとられた。
頭の後ろの方がビリビリして、ものを考えることができない。
何度も何度もキスをして、ようやく承太郎が体を起こした時には、僕の意識はすでにぼんやりゆだってしまっていた。
ぷちぷちとシャツのボタンを外されていくのに、抵抗ができな、
「ひゃあッ!?ど、どこを舐めて、や、」
信じられないことに承太郎は、僕の、その、胸についてるやつをつついたり引っ張ったり、その上口に含んで舌で転がしたりしている。
「そこ、舐めるとこじゃな、っや、あ、ぅンッ!」
歯まで立てられて、今まで出したこともないような高い声が出た。
とても恥ずかしい、のに承太郎が僕の腕両方を片手で掴んで止めてしまっているので、顔を隠すことができない。
けれど、僕を見上げて口角を上げ、悪どく笑う彼女がシビれるほど色っぽくてカッコイイので、何でもいいかなあという気分になる。
「ここもじっくり開発していってやるぜ」
かいは……なに?
完全に立ち上がって刺激を待っているそれを横目に、承太郎は顔を離して下の方に降りて行ってしまった。
うう、つらい。
腕を離してもらえたら自分で触れるのに。
しかしそんな欲求も、次なる衝撃で吹き飛んでしまった。
熱にとろけた目をした承太郎が、僕のそれを間近で見つめている。
彼女の荒い息遣いが布越しに伝わる、それだけのことがひどい快感に変わる。
決定的な刺激がない分、苦痛ですらある。
抑えても抑えても、ビクビクと腰が跳ねる。
「触って欲しいのか?」
「うっ、ン、じょうたろッ…さわっ……おねがい、」
「分かった」
身を起こした承太郎が、僕の体から邪魔なものを全て取り去る。
あれ、いつの間に承太郎も脱いでるんだ……うわあ、でかい……
それから僕は、例えばいつも自分でやるような、掌や指を期待した。
だから、
「ッあぁっ!?っや、あ、だめ、そんな、すったら、っあ、ぁぁあああ―――…」
承太郎の口の中に吐精したと気付いたのは、彼女の唇の端から白い粘液がつうと垂れるのを見てからだった。
「あっ!?じょ、ご、ごめ」
慌てて謝ろうとした僕を見据えて、承太郎はニヤリと笑った。
壮絶にカッコイイ、背筋を何かが駆け上がっていくようだ。
「何だ、出したばかりだっつーのに、俺の顔見てまたたっちまったのか?」
「だって、」
「あー…、駄目だ花京院。お前可愛すぎる」
「え、」
「お前のことぶち犯してやりたい。っつーか孕ませたい。よしそうしよう。花京院、俺の子を産め」
「へ、なに、やっ」
承太郎の指が思いもよらないところに伸びて、変な声が上がる。
ぬるついているのは僕のものだろうか、承太郎のものだろうか。
「や、あ、っあ、ん、あぁっ」
承太郎の太い指が僕の中に入ってくる。
頭が回らなくて、彼女のやりたいことがよく分からないが、体の中が熱くてひどく気持ちがいい。
「ッ花京院、そんな締めんな」
「だ、だってぇ、んンッ」
とっくに余裕なんかなかった僕だが、承太郎の指がある一点をかすめた時、体が大きくビクンと跳ねるのを感じた。
「ヒッ…!?なにいまの、」
「…ここか?」
「や、そこ、だめぇ、だめ、だ、ぁ、ゃ、ああぁ――ッ!!」
ハァハァ荒い息を吐いて、それから腹に生暖かいものを感じて、僕は自分が達したのを知った。
承太郎は熱に浮かされた目で僕を見下ろして、満足そうな顔をしている。
「俺に影響されてるとはいえ、βだってのに最初から後ろでいけるたぁ、素質があるんじゃあねえか?嬉しい限りだぜ」
返事のできない僕の体を起こして、承太郎は僕を四つん這いの格好にした。
一度指が引き抜かれたそこへ手を添えられて、知らず期待につばを飲み込む。
「ッあ!?そんな、待っ…あっん、」
再度指が入れられてすぐに、その横を抉るようにもう一本追加される。
「あ、あ、じょうた、ろ、ま、だめ」
「何が駄目なのか全く分からねえな。そんなに腰を揺らしておっ立ててりゃあ、よがってるようにしか見えねえぜ」
「ッひ!そ、そこ」
「ああ、ここ好きだろ?」
「わからなっ…そこ、へんになるッ、」
「つまり好きってことだな。…もう一本入れるぜ」
「や、ああぁぁ、あ――…ッ…」
承太郎の指は、僕の中でそれぞれ好き勝手暴れている。
体も頭の中もぐちゃぐちゃにかき回されるようだ。
指を抜き差しされるともう駄目で、何も考えられずその動きに合わせて腰を振り、はしたない声を上げることしかできない。
それらがゆっくり引き抜かれるときには、名残惜しげに肉が絡まるのが、自分でも分かるほどだった。
「……待ってな、もっと熱いもんやるから」
「え?」
そう言って承太郎が、僕の体に覆いかぶさってきた。
うなじに舌を這わされて、胸を押し付けられ、腰を合わせられて、足を絡ませられる。
それから、すっかりほぐされて柔らかくなったそこに、熱いものがどくどくと流れ込んでくるのがわかった。
「ん、ぁ、あつ、あ…」
体中どこもかしこも熱くって、そして僕に寄り添う承太郎もまた同じくらい熱くて、そしてそれはとても幸せなことで。
「ッああ…!!」
首筋に思い切り歯を立てられて、頭の中が爆ぜて、それから僕は、ゆっくりと意識が沈んでいくのを感じた。

 
 
「おめでとうございます。問題なく『できて』いますよ」
「わあ…」
わあ、としか言いようがなかった。
医師に見せられた僕の下腹部の写真には、しっかり擬似子宮が写っている。
「Ω性ってすごいな…」
医師がちらりと僕を見ながら、小さい声で続けた。
「しかし、よろしいのですか空条さま、その…」
「こいつがβだってことか?いいに決まってるだろ、俺にはこいつしかいねえ」
「ですが、その……空条さまにはまだ、運命のつがいが…」
「運命なんざクソ食らえだ。俺は自分で相手を見つけた。俺はこいつだけだって決めたんだ。花京院、お前は?俺の子を生む気はあるか?」
「……もちろんだよ。これからも、よろしく。僕の…………何?」
「旦那さまでいいんじゃあねえか」
そういうわけで、βとΩ、ではなく僕と承太郎は、幸せに暮らしましたとさ。