とりかえこ(※流血注意)

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きらきら光る緑が好きだ。
昔から好きだったんだ。
花京院がいいました。
ぼくの法皇の色だもの。

濃い亜麻色が好きだ。
最近好きになったんだ。
承太郎がいいました。
おまえの髪の色だもの。

くちづけを、あるいは肌を交わしている最中に、
視線もまた交わされる時がありました。
濡れて燃えたそれが、なんとまあ、
お互いのとても好きな色だと気付いた時の、二人の驚きようといったら!
けれどそれは、また同時に世界の当然のようにしっくりくる事実でした。

ところでおまえはいいものを持っているな。
きみこそたいそういいものを持っているね。
それでどう見える?
それでなに見える?

ねえ、ぼくは、それがきみの眼窩にはさまっているのが好きだ。
でも、それ、ぼくにも欲しい。
ああ、おれも、それがおまえの顔を飾って光るのが好きだ。
だが、それ、手の中には入らないものか。

ねえこれふたつあるよ。