鉄獄より愛をこめて 13.5F(R-18)

”デジャヴの様な感じを覚えるが、気のせいなのだろうか?”

承太郎は花京院の細い体をベッドの上に横たえた。こうしてみると、彼は本当にうまそうだ。

このハーフエルフの魂は、いったいどんな色をしているのだろうか?そしてその味は? きっと甘くて、香ばしくて、初めて食べるというのに、懐かしい味がすることだろう。
承太郎が大きな手でするすると彼の体を撫でていると、その黒い手を花京院の白い手が掴んだ。やっぱり困ったように笑っている。
彼は体から承太郎の手を退けると、自分の服に手をかけてそれを脱ぎ去った。あらわになった彼の体は、大小様々な傷跡だらけだった。
治癒の魔法というのは、あくまで自然治癒をものすごい速さで行う、というものでしかない。だから、すっかり傷が癒えたとしても、色が変わっているところだとか、少しこぶになってしまっているところだとか、そういうものは残るのだ。
承太郎は長い舌を伸ばして、それらを慈しむように舐めた。花京院はくすぐったそうに笑っている。
「君の舌、熱いなあ。燃えるようだ」
承太郎も鎧はもう脱いで上半身の黒い体を晒していたが、邪魔と言わんばかりにズボンと靴を捨て去った。足の間にあるものを見て、花京院は「うわあ…」と呟いた。
「何それ、どうなってるんだ?っていうかどうするんだそれ」
「こうする」
「うわ、すごい。一本になって縮んだぞ。そんなことできるんだな」
「悪魔だからな」
「触っていいか?」
「おう」
花京院はどきどきしながらそれに手を伸ばした。根元の方から、灰色がかったぬめりけのある液体が分泌されている。両手で上下にこすってみると、それは反りを大きくして、液体ももっと多量に出てきた。ふと思いついて、ぬめるそれを口に運んでみる。
「!!?なんかすごく甘いぞ!?」
「そうか?」
承太郎の方も、ゆるく立ち上がっている花京院のそこへ手を添えた。
「柔らかいな」
「潰すなよ」
手のひらで撫でるようにして刺激を与える。
「先端から出てくるのか」
「そうだよ。知らなかった?」
「男とやるのは初めてなもんでな」
彼の手は大きく硬く、そしてとても熱く、花京院は未知の感覚にあっさり吐精した。承太郎も当然のようにそれを舐める。
「変な味だな」
「いや、そりゃ、うまいものではないよ」
「そんなもんなのか?」
「そんなもんなんだよ」
「思ったより体の作りが違うみたいだな。どこに突っ込みゃいいんだ」
「んー、ここかな。でもここ、そのための器官じゃあないから、あんまり無理はしないでくれよ」
「じゃあ何の器官なんだ」
「何って………あ!?君もしかして排泄しないのか!?」
「排泄?」
「うわあマジだ!カルチャーショックだ!!承太郎くんはトイレなんか行きませんってか!?男にやられても嬉しくないよ!!」
「…何の話をしている?」
「分かった、僕にしか穴がないのなら、僕が突っ込まれる側なのもやむなしだ。僕に感謝して突っ込みたまえ」
「?おう」
などと話しながら、承太郎が早速それを宛てがってきたので、花京院は「待て待て待て」と止める羽目になった。
「いきなり入るわけがないだろ!慣らすとかしろよ」
「どうやって」
承太郎は口を尖らせた。
「う、たとえば、指とか…」
言いながら承太郎の指を見て、花京院は「あ、駄目だ」と思った。
でかい。太い。その上尖っている。絶対怪我する。
「うー……」
唸りながらも花京院は、自分でそこに指を入れた。うわあ気持ち悪い。濡れてくるわけでもないので、承太郎さんの承太郎さんから少々拝借して潤滑剤に使…おうとした。
「うっひゃあ!?」
「今度はどうした」
「いや、どうしたって、君こそどうなってるんだ?この液体何だ!」
「媚薬だ」
「そんなのありか!?メルヘンやファンタジーじゃ…いやファンタジーかこれは……いいよ、なんかうまくいきそうだし、すごく興奮してきた。もう……入れてくれ」
「おう」
お許しの出た承太郎は、花京院の細くて小さな体に覆いかぶさった。もちろんこれはバルログに比べて、という意味で、ハーフエルフにしてはよく筋肉のついた長身の彼にそんなことを言えば、本の角で殴られることは目に見えている。
承太郎は体を折り曲げて、花京院の唇にキスをした。花京院は彼の口の中に、自分の舌を侵入させた。本当に熱い。火傷しそうだ。
この喉の奥から、黒く燃える炎が吹き出てくるのを知っている。口だけではない、彼が触れるところから体中が熱を持って、わけが分からなくなりそうだ。
「う、あ」
水音を立てながら承太郎がズルズルと入ってくる。
「いっ…あ、ッヒ」
「息とめんな、ゆっくり吐け」
「ひっ…ひ、ひっ、ふー」
「もっとゆっくり吐け」
「通じなかったか…」
「何が」
「いや、何でもな、っあ、ひぁッ!?やっ、ま、や、あ」
自分にのしかかる大柄な悪魔が腰を動かし始めたので、花京院にできることといったら、よがって喘ぐことくらいだった。くそ、こいつ皮膚が硬すぎて爪痕がつかない。
「オラ、何考えてやがる」
「君、の、ことだよ…!」
腰の後ろのほうがじんじんする。頭の中がぐつぐつと煮え立っているようだ。
何度も追い上げられて、花京院はびくんと跳ねながら果てた。その動きに刺激されたのか、承太郎もすぐ達した。達し……
「ちょ、ちょっと待っ…す、すごい、こう、ビューって出てるんだけど」
「そりゃ、出る、だろ」
「…長くないか」
「5分くらいだぜ」
「ごふ…」
5分もたったころに自分の腹がどうなってしまうのか考えるのが怖くなって、花京院はくらりと意識を手放した。